午前3時半の高速道路。 1日の終わりと新しい日が始まる僅かな空白。オーディオを消してマフラーの音を聞きながら1人車をドライブ。 道路脇にある街灯の光を自分に心地好いスピードで流しながら自分と車をリンクさせる。ヘッドライトに照らされた路面の白線も無限に続くように流れる。 やがて車線の合流にさしかかりドアミラーに目をやると一つのやけに眩しい光がみるみる迫ってきた。すぐにそれは大型バイクだと判り車線に入るのを待つとその光は自分の横を瞬間的に通り過ぎていった。引かれるようにアクセルを開けてバイクの後ろに入るとすぐに彼は車線を変えた。そして追いつき2台は並走のままゾーンに入っていく。彼は様子を伺っているようで左側を維持したまま車体をピタリ合せてきている。一瞬お互い視線を交わして挨拶をした。だけど自分は知っている。 「おーい、三味線弾いてないで早いところ魅せてョ」 彼はそれに呼応するかのように姿勢を一段低くして加速を始めた。甲高いエキゾーストノートが響き瞬間で車間が開く。それはまるで放たれた矢のような加速。ビルの屋上から物が落下していくような感覚でテールランプの光があっという間に向こう側の世界に入っていった。 「ここからその加速ですか! やはりバイクは速いよね」 遙か遠くに離れた赤い光を見ながらもきっと彼もミラーでこちらのヘッドライトの光を見ているはず。遅れをとりながらも追い上げて料金所手前で距離を詰める。 一旦仕切り直しで再度横並びスタートの加速になるも自分の前にはコンパクトカーがいた。バイクは先と同じく左側に居る。これでコンパクトカーに圧をかけると弾かれたように左側に移りバイクの進路を塞いでしまうのでアクセルをスローに戻して様子を見ると同じくバイクも合わせて様子を見ている。その動作で自分とバイクの彼との気持ちがリンクしたように思えた。 「バトルではない」 コンパクトカーの動きを見ながらバイクが先行。追うように自分もアクセルを開けた。そしてバイクの後姿を見ながら僅かな時間のランデヴー やがて自分の高速降り口が近づいてくると彼はそれを知っているかのように速度を緩めて隣に並んできた。気持ちがつながっている感覚を覚えたのは自分だけではなかったようだ。 「ありがとう楽しかったよ」 お互い挨拶を交わした後、MotoGP ライダーのような姿をした彼は一呼吸おいてから一瞬でいなくなった。 ウインカーを左に出して静かに高速ランプを降りた午前4時。東の空はすでに白みまた新しい1日が始まった事を告げていた___________________。
という夢なんか見てしまうとリッターバイクを追い回せる車って一体何馬力必要なんだろうって考えちゃうよねぇ。800馬力ぐらいあればいけるのかなぁ…。 また遊ばれちゃうのがオチかな。。。
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※イメージ画像です。 本文とは関係ありません。
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